和歌劇作品紹介

「山の幸・海の幸」
脚本:菅沼 登
音楽:歌枕 直美 ・綱澤 僚

― あらすじ ―

 
昔々 筑紫の国にホスセリとホヲリという兄弟がいた。自分の将来のため いつか弟を貶めようと思っていた兄・ホスセリは、弟のホヲリが自分の釣り針をなくしてしまったことを口実に、ホヲリを家から追い出した。行き場がなくなり、浜辺で泣いていたホヲリは、丁度その場を通りかかった塩椎の爺の助言に従い、小さな舟に乗って、自らを生かす場所を求める旅に出た。やがて南の島に着いたホヲリは、南の島の主・ワタツミたちから、立派な若者が来たと歓迎を受け、ワタツミの娘・豊玉姫と結婚した。三年後、故国が恋しくなり そこに戻ったホヲリは、ワタツミから授かった不思議な力を使って兄を屈服させた。その後、ホヲリを追って来た豊玉姫は、出産のための小屋に入るが、ホヲリは禁じられたにも拘わらず 妻が出産する所をのぞき見してしまう。恥をかいた豊玉姫は、もうここには居られないと言い、赤子を残して南の島に帰ったが、姫は、赤子とホヲリのことが忘れられないと歌を詠み、それを妹に託してホヲリに送り届けた。



-感 想-

☆神様ごとのお話ですが、特に最後の歌(ホオリノミコト)「沖つ鳥 鴨どく島に 我がい寝し 妹は忘れじ 世のことごとに」は、とても生々しく切ない想いが伝わってきました。
★はじめの兄と弟の悲しい物語が印象的でした。互いの思いを和歌にするという現代とは全く違う世界観がとても楽しかったです。
☆歴史が苦手で、和歌劇はきっと自分にとって難しいものだろうと思っていましたが、予想に反し右脳で聞くコンサートで本当に感激しました。
 

― 公演実績 ―
2014年2月2日 うたまくら茶論
2012年4月7日 うたまくら茶論
2007年12月16日 山口・三豊小学校
登録商標について:「和歌劇」は株式会社うたまくらの登録商標です。