和歌劇作品紹介

「中将姫」
脚本:菅沼 登
音楽:歌枕 直美・綱澤 僚
- あらすじ -

壬申の乱で活躍した大納言 大伴安麻呂の娘・中将姫は、父が親しくする新田部王の子息・道祖王と結婚した。姫の弟である大伴古麻呂は、聖武上皇と孝謙女帝の意向を受けて遣唐使となり、鑑真の来日を成功させた。そこには、留学していた僧侶・普照や鑑真と志を同じくする唐の僧侶や尼も同行していた。聖武上皇は死の間際、道祖王を孝謙女帝の後継者(皇太子)に指名したが、大伴一族のライバル・藤原仲麻呂は孝謙女帝を取り込み、道祖王を皇太子の位から引きずり降ろした。その後 飢饉と疫病が頻発すると、古麻呂は、その原因が孝謙女帝と仲麻呂の失政にあるとし、武力でもって二人を排除しようという はかりごとを始めた。それを知った大伴家持は、武力を その様な私的な闘争に使うべきではないという歌を作って謀議を止めさせようとしたが、古麻呂の暴走は止まらなかった。結局、計画を察知した仲麻呂により、古麻呂と その仲間・橘奈良麻呂と道祖王は捕らえられ処刑された。中将姫は、夫と弟を失っただけでなく、姫の血筋の良さを妬む孝謙女帝から憎まれて都から追放され、大伴一族の縁の場所である二上山に隠れ棲んだ。姫は この世には居場所がないと感じていたが、そこを訪れた普照は姫に、阿弥陀仏を念じることを勧めた。数年後 鑑真が亡くなると、それまで行動を共にしてきた尼たちも中将姫の処に合流し、彼らが体得していた機織りの技術を用いて、阿弥陀仏の世界を表す絵画(當麻曼陀羅)を製作した。
 

- 感 想 -

☆いろんな文献からその時代を解読され、このような中将姫の物語が生まれたこと素晴らしいと思います。感動しました。
★歌枕さんのお歌はもちろんのことお衣装も素敵でした。姫様の衣装が、とてもお似合いでした。
☆地元の中将姫様のお話が、壮大なドラマとして上演していただき、とても感動しました。
 

- 公演実績 -
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