「宗良親王 (むねながしんのう)
脚本:菅沼 登
音楽:歌枕 直美

- あらすじ -

今から八百年あまり前、鎌倉幕府が強力な軍事力を誇って権勢を振るっていた頃のお話。幕府の権力は、御家人制という身分制度によっており、また京の朝廷では、官職が世襲となっていた。
一方、貧困のために奴隷の身分に陥った人もいて、世の中に閉塞感があった。ちょうどその頃、皇位に就いた後醍醐天皇は、それまでの慣習にとらわれない、全く新しい政治を目指し、そのために幕府を倒したいと表明すると、多くの御家人が幕府から寝返り、鎌倉幕府は滅亡した。
後醍醐天皇は、全ての権限を自らに集中させるため人材の登用法を一変させ、朝廷の機構を改革しようとしたが、逆に貴族や官人の反発を招き、また倒幕に協力した武士たちへの恩賞が、武士たちにとって期待外れだったため、足利尊氏を中心とした武士たちによって、天皇は都から追い出された。吉野の里に逃れた天皇は、巻き返しを図るため、宗良親王を始め 自らの皇子を東国や西国に派遣して兵を募ることにした。井伊家を頼りに遠州国にたどり着いた宗良親王は、井伊氏の姫を娶って井伊谷に住み着いたものの、三年もたたない内に足利方の攻撃によって城を落とされ、親王の流浪の旅が始まった。その苦難の時に親王の心の支えになったのは、和歌を詠み、それによって遠く離れた吉野にいる友人と心を通わせることだった。
 

- 公演実績 -
2008年12月6日 龍潭寺
2008年10月11日 うたまくら茶論
2008年9月27日 龍潭寺
2008年9月20日 うたまくら茶論

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