和歌劇作品紹介

「空 海」
脚本:菅沼 登
音楽:綱澤 僚・歌枕 直美
- あらすじ -

[第一部]
今から約1200年前、讃岐の国に生まれた空海は15歳の時、一族の期待を背負い、奈良の都に上り、大学に入って、官吏となるための勉強を始めました。ところが、自分は一体何のために勉強するのか疑問を感じた空海は、仏教の中にその答えがあると考え、大学を中退して山に籠もって修行し、何かを覚りました。そして空海は、この世のしがらみから逃れると同時に、密教という新しい思想を通して、この世の真理を知ろうと、留学僧となって唐に渡ります。
そこで空海は、密教の教える宇宙の真理と、日本古来からの考え方を融合させ、新たな境地に達した空海は、密教の教えを受け継ぐ僧 恵果より、日本に戻り、その真理や知識を生かして苦しむ人々を救うことを命じられたのです。
[第二部]
空海は、インドから伝わった思想 密教の伝統を受け継ぐ者として、唐の高僧 恵果から密教の奥義を授かった。本来、留学僧の任期は20年であったが、すぐに帰国して密教を広めるべしという恵果の命に従い、空海は仏教の教典を始め漢詩など数多くの書籍を携えて?来たばかりの平安京に帰着し、朝廷の裁断を待つことになった。
その頃、皇位を継いだばかりの安殿親王は、義母と恋仲になるという不倫のため皇位を退き、平城上皇となった。その後を継いで即位した神美能親王は、唐の文化を取り入れたり徴兵制の廃止などの政治改革を行ったが、その政策に反発する大伴氏の一族は、平城上皇に近づき、上皇の天皇への復帰を宣言し、奈良に新たな朝廷を開く計画を立て、平安京の朝廷と争いを始めた。
そこで空海は、国を分裂させて人々が争うことを憂い、仏教の経典を講釈して全ての人が同じ価値を持っていることを説いた。その争いを制した平安京の朝廷が空海を仏教を広める指導者として認めると、空海は民衆を救うための活動・貯水池を築く工事などを開始した。
 

- 公演実績 -
2011年10月30日 大覚寺 嵯峨御流の会にて
2011年10月8日 うたまくら茶論
2008年4月12日・19日 奈良・元興寺 極楽坊 本堂
2007年12月9日 アクトシティ浜松 音楽工房ホール
2007年2月3日 うたまくら茶論(第二部)
2007年1月6日 うたまくら茶論(第一部)
登録商標について:「和歌劇」は株式会社うたまくらの登録商標です。