和歌劇作品紹介

「遣唐使の物語」
脚本:菅沼 登
音楽:綱澤 僚・歌枕 直美
- あらすじ -

[第一部]
当時、唐への航海は命がけの危険な旅行。そこまでして行く必要があるか否かで出発前に一悶着…成立したばかりの日本国の藤原京の朝廷は、新しい国を作る手本を唐に求め、遣唐使を派遣します。大阪湾を出航した遣唐使船は、瀬戸内海で嵐によって難破してしまいますが、なんとか九州に漂着します。
大使の佐伯今毛人は、やみくもに唐の文化を導入することに疑問を感じて航海の中止を主張しますが、新しい世界に触れることに憧れている副使の粟田真人は、航海の継続を主張し、代わりの大使となって唐へ旅立ちます。
 
[第二部]
海を渡った日本の匠の技…藤原京の造営のために働く優れた大工 猪名部の匠は、その価値を理解できない藤原京の宮人たちの謀略によって京から追放されてしまう。猪名部の匠は、唐の国では数多くの外国人が自分の技術を生かして暮らしていると聞き、身分を隠して遣唐使船に漕ぎ手として乗り込み、唐に渡った。
そこで猪名部の匠は、音楽に合わせて踊る”蠅虎子”という名のカラクリ人形を披露し、唐の人々から喝采を得た。
 
[第三部]
日本は一体どこにあるの?という唐の女帝 武則天に面会した粟田真人が歌って聞かせた日本の歌とは…唐の都 長安に着いた粟田真人は、日本という国は遠くて分からないと言う唐の女帝 武則天に、日本国の前身 倭国の時代の女王の歌を歌って、日本のことを理解させようとした。
 
[第四部]
唐に住み着いた日本人留学生がいた…粟田真人が唐に着く前から、多くの日本人が唐に渡っていたが、その中の一人、僧弁正は、若き日の玄宗皇帝(李隆基)の囲碁仲間となり、李隆基の勧めによって僧の身分を捨てて唐に帰化し、そこで妻を娶り、唐の社会や文化に深くとけ込んでいった。
[第五部]
粟田真人を自分のものにしようとする女帝 武則天。
真人の対抗策とは…粟田真人の詩の才能に惚れ込んだ女帝 武則天は、自分の行った不老長寿になる方法を説明し、粟田真人に唐の国に残ることを薦めるが、粟田真人は日本の伝統の良さに気付き、武則天の誘いを断って日本への帰路に就く。 
 

- 公演実績 -
2012年7月7日 うたまくら茶論 遣唐使の物語4
2012年6月9日 うたまくら茶論 遣唐使の物語2
2006年9月24日 吹田メイシアター 中ホール
2006年4月15日 旧西尾家住宅・吹田文化創造交流館
2006年3月25日 元興寺 極楽堂
2005年11月27日 アクトシティ浜松 中ホール
登録商標について:「和歌劇」は株式会社うたまくらの登録商標です。