歌枕直美 友の会

うたまくら草子
歌枕直美の心から語りたい
vol.61 オッリ・ユヴォネン

フィンランドでのコンサートのご協力をくださっているフィンランド日本協会会長のオッリ・ユヴォネン氏に、日本とフィンランドについてお話をお伺いしました。

■神 道
 
歌枕直美(以下、歌枕):昨年は、コンサートにお越しくださり、また翌日にはヘルシンキをご案内いただきましてありがとうございました。
 
オッリ・ユヴォネン(以下、ユヴォネン):こちらこそ、素晴らしいコンサートをありがとうございました。また送ってくださったCD「古事記ソングス」を車の中でいつも聴いています。特に昨年コンサートの時にも聴かせていただいたお酒の歌が好きです。
 
歌枕:ありがとうございます。オッリさんが日本に興味を持たれたのは、何がきっかけでいらっしゃいますか?
 
ユヴォネン:在フィンランド日本大使館で働いてる日本人の方と出会ったことから、日本について興味を持ちはじめました。
 
歌枕:日本について、どのような印象をお持ちですか?
 
ユヴォネン:日本人は、とても親切ですね。そして日本人もフィンランド人も、静かな感じが似ていると思いました。
 
歌枕:昨年のコンサートの時に、ポーランドや他の国の方より、フィンランドの方は静かな方が多いと思いました。
 
ユヴォネン:フィンランド人は、国際会議など世界の人々が集まる場面ではなかなか発言できないですね。
 
歌枕:オッリさんは、お仕事で日本に来られていたのはいつ頃、どこにいらっしゃっていましたか。
 
ユヴォネン:33年前に在日本フィンランド大使館で働いていました。その時は、東京の南麻布に住んでいました。
 
歌枕:日本のどのような事に、興味をお持ちですか?
 
ユヴォネン:今、興味を持っているのは、日本の宗教で特に神道です。それと火山にも興味を持っています。火山を研究している日本人の親しい友人がいまして、1983年三宅島が噴火した時に、その友人とすぐ側まで見に行ったことがあります。
 
 
■森と湖の国
 
歌枕:フィンランドの魅力はどういうところでしょうか。
 
ユヴォネン:そうですね。自然が豊かで落ち着いた国です。日本と違って、湖などの自然が多く、人が少ないですね。(笑)
 
歌枕:フィンランドというと、森と湖の国と言われていますが、湖にはよく出かけられますか?
 
ユヴォネン:はい。夏によく行きますね。サウナに入って、その後、湖に飛び込みます。(笑)
 
歌枕:サウナの後の湖ですか?(笑)フィンランドの方は、サウナにはよく入られますか?
 
ユヴォネン:はい。血液が循環して、本当に気持ちがよく体に良いです。実は私たちは冬でも入りますが、冬の気温はマイナスですので、若者は夏しか入らないようです。(笑)
 
歌枕:サウナも生活文化ですね。
 
ユヴォネン:そうですね。日本もお風呂の文化があるからか、フィンランドのサウナが好きみたいです。今年の1~2月には、日本のサウナ協会がいらっしゃり、フィンランドのサウナ協会と一緒に入っていましたね。
 
歌枕:フィンランドとスウェーデン、ノルウェーは、仲がよろしいですか?
 
ユヴォネン:スウェーデンとは仲がよいですが、ロシアとの戦争は恐ろしかったですね。今は、EUに入っているので昔とは違いますが、それでも最近は政治的なところでまた心配が増えてきました。日本の隣にも大国 中国があるので、似ているかもしれませんね。
 
 
■フィンランド日本協会
 
歌枕:オッリさんはフィンランド日本協会の会長を務められていらっしゃいますが、2国をつなぐどのような会でしょうか?
 
ユヴォネン:フィンランド日本協会は、1935年に設立の団体です。来年80周年を迎えます。
 
歌枕:長い歴史のある協会ですね。
 
ユヴォネン:はい。フィンランドでの友好協会としては3番目に古い協会です。
 
歌枕:オッリさんは、いつ頃から活動されているのですか?
 
ユヴォネン:1980年代に参加して、仕事を数年前に退職してから会長となりました。
 
歌枕:フィンランド日本協会では、どのような活動を行われているのでしょうか。
 
ユヴォネン:フィンランドの人々に、日本の様々な側面を知ってもらうことを目的とし、展覧会、コンサート、料理教室、企業訪問などの催しを企画し行っています。
 
歌枕:昨年に続き、今年もフィンランド日本協会の皆様のご協力で、カンガサラとヘルシンキでのコンサートを企画していただきましてありがとうございます。
 
ユヴォネン:カンガサラの担当しているヘイッキさん、ヘルシンキの担当しているラッセさんはアーティストで、フィンランド日本協会の音楽企画行事を行っています。昨年は、舘野泉さんのコンサートを2人が手がけました。
 
歌枕:カンガサラへ行くのは初めてで、あさってのコンサートが楽しみです。
 
ユヴォネン:カンガサラは、まさに湖と森の国で自然が豊かな美しいところです。ぜひ楽しんで来て下さい。
 
歌枕:カンガサラでは、高校でのコンサートも企画していただいているので、フィンランドの高校生が日本の万葉集の歌を聴いて、どのように感じてくださるのかも楽しみです。
 
ユヴォネン:今年は予定がありコンサートを聴かせていただくことができなくてとても残念ですが、ヘルシンキ大学言語センターホールでのコンサートも、きっと素敵なコンサートになると思います。
 
歌枕:はい。ありがとうございます。また、フィンランドでは、日本のどのようなことに興味を持たれますか?
 
ユヴォネン:フィンランドでは、日本の漫画がはやっています。また私の日本人の友人に、自衛隊で剣道を教えていた人がいるのですが、今はフィンランドに住んで、フィンランド人に剣道を紹介しています。その他、柔道、合気道なども人気があります。
 
歌枕:日本の武道は、人気があるのですね。これからはどのような活動を予定されていますか?
 
ユヴォネン:来年は80周年を迎えるので、いろいろな企画を計画しています。とても日本が好きなので、フィンランド日本協会が日本とフィンランドの架け橋になればと思っています。歌枕さん、これからも日本の素晴らしい文化、歴史をフィンランドに、世界の方々に、歌枕さんの音楽で伝えて下さい。
 
歌枕:ありがとうございます。本日は、貴重なお話をありがとうございました。
 
 

Olli Juvonen (オッリ・ユヴォネン)

フィンランド日本協会 会長。

フィンランド日本協会を通して、フィンランドと日本の交流を深める活動を行っている。

フィンランド日本協会は、日本やフィンランドと日本の友好関係に興味を持つ人々の友好協会として1935年に設立。フィンランドの人々に日本の様々な側面を知ってもらうということが、その重要な目的としている。

ヘルシンキに本拠地を置くほかの日本関連組織(在フィンランド日本国大使館、フィンランド日本人会)とも協力関係を保っている。