セミナーレポート

初代プレイエル、ショパンとの出会まで、今年で200年という年を迎え、ヨーロッパ最古といわれるメーカーの秘密に迫ります。

プレイエルの秘密

初代プレイエル、ショパンとの出会まで、今年で200年という年を迎え、ヨーロッパ最古といわれるメーカーの秘密に迫ります。

■ピアノ製作者?いや作曲者!

創立者イグナーツ・プレイエルはもともとオーストリア人で作曲者でした。あの有名なハイドンの弟子でもありました。時代は古典、ベートーヴェンが出てくるまでのほんのわずかな瞬間だけ輝いていたそうです。1783年にフランスに渡ります。
いろんな曲が残されている中、とりわけアメリカにわたっていった曲は賛美歌で、愛されたそうです。そしてプレイエル教会までもが建てられ残されています。

■ピアノ製作者?いや出版社!

フランス革命でフランスのチェンバロ黄金時代が終わり、教会、公の場でのコンサートが禁止になり、、これをきっかけにプレイエルはイギリスに渡ります。そこで楽譜の出版業をおこし、売れっ子だったベートーヴェンなどの楽譜の出版を行い財を成しました。

■そしてピアノ製作者!

1807年にパリで有名だったピアノ製作者パペ(写真ピアノ参照)を引き抜きピアノを作り始めます。しかし13年後この仕事には打ち込めず息子カミーユに全権を渡し引退します。そしてイグナーツが亡くなった年ショパンがプレイエル社を尋ね運命的な出会いが始まるのです。

 
 

■プレイエルの音

戦後のプレイエルは変わってしまったとよく言われますが、はたして戦前の音はどんなのだったのでしょうか。プレイエル奏者でもあったアルフレッド・コルトーの1920年代の録音を一條さんの協力の下聴いていただきました。雑音のある中ピアノの音だけが鮮明に浮き上がってきます。

■本物のプレイエルの音色はいつの時代?

今度はその時代の映像を見ていただきました。1920年代はピアノの黄金時代でもありますが、フランスのピアノの黄金時代1850年までにはもう終わったといわれています。古典派時代からのピアノつくりではもう20世紀では通用しなくなってきているのでしょうか。
 
やはりその時代に合った音、求められている音を時代と共に変化させられるかがメーカーとして生き残っていけるかどうかではないでしょうか。

 
 

■フランスのピアノ

今回この企画の前にコンサートとして、時代を語るピアノの響きと題して、さまざまなピアノの演奏がありました。とりわけこのプレイエルは唯一のラテン系。1960年にほかのエラール社、ガボー社の合併がありその1年後プレイエル社を含め合併しフランス唯一のメーカーになりましたが、その10年後には名前がドイツのピアノメーカーに買われてしまいます。
 

■フランス人として

買収されたその年に支援者らと、技術者は新たなフランスのピアノとして立ち上げ、フランスからピアノの日を消してはならないという形で新たなメーカー、ラモーを創業させました。その後プレイエルという名前がフランスに再び戻る事になりますが、フランス人としてのピアノつくりをこれからも作り続けてほしいと思います。

お越しいただいた方から感想をいただきました。 

午後のプレイエルでの企画ではピアノの違いに個性が200年の歴史から来るものだということがわかりました。戦前の映像や音源にも触れることができて貴重な時間をすごすことができました。(F.S)
 
プレイエルというメーカーは聞いたことがありましたがどういう時代でも背景の中で生まれてきたピアノなのかを知らなかったので、とても勉強になりました。実は作曲者だったとか、出版の仕事をしていたとか、驚きました。昔の音源を聴いたり見たりして、その時代に戻って聴いているような気分になりました。特に蓄音機で聴けたことに感動しました!又いろいろな企画にぜひ参加したいです。(S.T)
 
プレイエルのピアノを通して、その時代背景を知ることができました。当時の映像や演奏(蓄音機)が聴くことができ、ほかではできない経験をさせていただきました。また、プレイエルを中心とするフランスのピアノを残そうと立ち上がった人々があり、そのお陰で今ここで現代のプレイエルの音色が聴けるということとつながり、感動しました。ほかにはないこういう企画に感心しました。(C.M)
 
プレイエルというピアノを買ってはみたものの、どういうピアノか良く知らなかったので、こういう企画があるという事を知って、ぜひ参加したいと思いました。一般的な視点でのピアノの説明ではなく、時代背景を絡めてのお話大変面白かったです。(N.N)
 
自分が持っている楽器のことがわかり、また楽器への気持ちも深まりました。(K.I)
 
フランスのプレイエルというとショパンのピアノとしてのみ、どうしてもクローズアップされてしまいますが、歴史的な背景、特にフランス革命以後の国内情勢の変化が当時のピアノ製作に大きな影響を与えている事など、作曲家とピアノという面ばかりでなく、解りました。100年以上続くピアノ会社というと、どうしても冠の製作者名・ブランドの一族のことばかりがクローズアップされている書物が多く、マイスター制度(ドイツ)や師弟制度のある中で、職人に代々引き継がれてゆく「伝統」の方が実は重要で、経営者が変わったとき、会社が倒産したとき、音を守り・救ったのはピアノ製作職人達に脈々と続く伝統であり、今でもそのピアノ(フランスの音)を伝承し続けていることが解りました。(T.I)