セミナーレポート

倍音の秘密・ペダルの秘密

過去に行なった企画の中で特に、もう一度行なって欲しいと要望のあった企画を2回連続で行ないます。

■人間はどこまで聞こえるの

人間の可聴領域は16~20000ヘルツと言われています。その中でピアノは27.5~4185ヘルツの間で音が構成されています。ということは人間の耳には最高音のピアノの音よりはるかに高い音が聞こえているわけです。(年齢によっての差はあります)

■倍音の無い音、ある音

単純に倍音が無い音はテレビの時報、音叉の音、チューナーの発信音などがあります。これらの音はどのように感じられますか?線の細い単調な響きです。
 
倍音のある音は人間の声、ピアノの音、いろんな楽器、ほかいろいろとあり、逆に無い物の方が少ないです。これらは音色ということでも表現できます。

■倍音を見る

倍音とは基音の整数倍の音のことで、ピアノで言うとある鍵盤を叩くとその音とその音の周波数の整数倍の音が一緒に出てきます。それをマイクで音を拾いパソコン上のソフトに表しました。それが右の写真です。
 

■音色が違うのは倍音構成が違う

うたまくらならではの実験ができました。ピアノによって倍音構成が違うのか?違うのです。いろんな大きさのピアノ、メーカーの違いによって音色が違います。構造上違うということはその結果、倍音構成がそれぞれで、高次倍音が多いと音が華やかで、明るいです。
また、2~3倍音が多いと芯が太くゆったりとした深みのある音が出ます。
 
こうして言葉にすると表現しにくいですが、感じたことをそのまま見てみるとおのずとその結果が現れました。
 
そして最高の楽器といわれる人の声にも倍音があり、それはそれは豊かな構成になっていました。

 
 

■ペダルの歴史

ペダルの歴史も音楽家、曲自身との関係も深いので改めて年代を追ってペダルの変遷を見てみました。
 

■ペダルと倍音

倍音の話からペダルに移ったのですが、実はこれは切っても切れない関係にあるのです。ペダルの使い方しだいで倍音の効果も変わります。まずはアップライトとグランドの違いを見ていただきました。また、ペダルの位置、高さで重い、硬いなどの癖も違うのでそれとどう付き合うのか、ワンポイントアドバイス。
演奏も視点が変われば表現が広がります。
よりピアノのことを歴史から知ることによって、曲との結びつきや表現の仕方のポイントが見えると思います。