教室の風景

毎週金曜日に更新している「歌枕直美音楽教室ブログ」よりレッスン風景を抜粋し、ご紹介します。
 

やまとうたレッスン・セミナー

 
━━━「やまとうた」

  • 「やまとうた」とは万葉集、古事記 日本書紀などの和歌にオリジナルのメロディーをつけ歌枕主宰が歌われている曲の総称です。日本の歴史と共にある和歌は古代人の発した言葉そのもので、それを声に出し音楽にのせて歌うことにより新たな生命がきらめき、詠んだ人の心や、その時代の人々の思いが広がります。この歌枕主宰が活動の中心とされている「やまとうた」を教室ではピアノと共に軸としてレッスンを行っています。今では50名以上の生徒さんが歌われています。和歌は難しいと思っていても、メロディーに乗せて歌うと、心地よく自然に声も出てきます。

 

  • 教室では、「萌え出づる春」という曲は、ほとんどの方が歌われています。志貴皇子が詠まれた和歌です。吹田に垂水という所があり、そこで詠まれたうたとして別名「吹田の歌」として教室の愛唱歌になっています。歌枕主宰が歌われる時も「皆さんもご一緒に」と言われると、大人も子供もみんなが歌い、大合唱になります。
  • このように「やまとうた」を歌われた生徒さんの様子、感想などをお伝えしていきたいと思います。

 
━━━「やまとうたへの思い」

  • 「やまとうた」は、小学生から85歳までの生徒さんが歌われています。
  • 現在85歳のWさん、発表会は勇退されましたが、初期のうたまくら、教室を引っ張ってくだいました。発表会では、和歌劇に出演され、数多くの「やまとうた」を歌われました。
  • 曲の背景、歴史などを調べられ、曲に向かう姿勢が素晴らしく、また、古の人が歌っているかのようでした。「大和三山」「日の出づる」など個性豊な表現で、その時の様子が目に焼き付いています。発表会でWさんの演奏を聴いた子供は、Wさんのファンになり、演奏を楽しみにするほどでした。目に見えないオーラがでていたのでしょうか。率先して「やまとうた」を歌い続けてくださり、今日の教室へとつながっています。今は50名以上の生徒さんが歌ってくださるようになり「やまとうた」は歌枕直美音楽教室のレッスンにおいて、無くてはならないものになりました。
  • 現在Wさんは、茶論で行われる「金曜の夜に」の企画に毎月ご参加くださり、発表会で歌った数々の「やまとうた」を演奏してくださいます。

 
━━━「やまとうたの成果vol.1」

  • 「やまとうた」をレッスンで歌っていただき発見したことがあります。
  • それは、歌ったことのない方、声が詰まって出にくい方が「やまとうた」歌うようになり、声が出るようになってきたことです。
  • ポップスを歌い続けてきたNさんは、とても爽やかな声ですが、鼻で息が止まり、喉にも力が入り、息が通らなかったのですが、レッスンの曲を「やまとうた」に変え、歌っていると、どんどん声が抜け良くなってきました。

 

  • 「やまとうた」はポップスのように言葉数も多くなく、ゆったりと発音できます。そして和歌という凝縮された美しい日本語を発することで、より効果が出ているように思います。そして、日本人の中にあるDNAが作用しているのでしょうか、何の違和感もなく、和歌のリズムに乗り、自然体で声が出せます。理屈を超えています。

 

  • 「萌え出づる春」「山田の澤に」などは、美しい声を出す練習には良いとNさんは言われています。人によって合う曲目は違いますが、発声練習だけをやるよりは、やまとうたの曲で練習する方が、成果があることもわかってきました。私は、ヴォイストレーニングに来られた方には「やまとうた」をお勧めしています。

 
━━━「やまとうたの成果vol.2」

  • 何年もコーラスで歌われていたKさん。コーラスでは特に発声を習わないし、皆で歌っていると自分の声がわからないので発声を習いたい、とレッスンに来られました。ソプラノで高い声を出すことだけにとらわれ、喉を締め付けて出されていました。鼻に息を通すことから始め、だんだん声は通り、響きが乗ってきました。

 

  • 数ヶ月前、やまとうたを世におくり出した歌枕主宰の直接グループレッスンである「やまとうたセミナー」を聴講され、受講されている方の学ぶ姿勢に感銘を受けられました。そして、発表会も見学され、聴いているだけではいけない、と思われ、今月は初めてやまとうたセミナーを受講してくださることになりました。今、レッスンで歌っている「山田の澤」の「やまだ」のところの声が乗りにくく難しいと言われています。日本語をきれいに歌うのは、本当に難しいと思います。でも神経を集中させ歌っていると、どんどん良くなっていきます。

 

  • Kさんのレパートリーは、たくさんあり、声の出し方に合わせていろんな曲を歌っています。いろいろ歌った結果、セミナーでは、長い間練習をしている「近江慕情」に決められました。ただ、長歌なので最後まで持つのか心配、と言われています。でも、「やまとうた」を歌うようになり、息が通り、響きが乗ってきました。熱心に練習してくださり、「やまとうた」で成果が現れているのは本当に嬉しいことです。

 
━━━「やまとうたで個性発揮」

  • 歌のレッスンを72歳から本格的に始められたIさんは、やまとうたを歌われ成果を上げられているお一人です。低音が魅力的な響きなので、いつも原調より4度下げた調整で歌われています。やまとうたは、お一人ずつに合った調整で練習できるので無理なく声を出すことができます。歌枕主宰から「私の真似をしなくていいです。ご自分の歌を歌ってください」と言っていただいているので、皆さん、ご自分に合う調整で、ご自分の歌として歌われています。また、市販の楽譜と違い、移調譜がすぐに準備できるのも、うたまくらのオリジナルだからこそです。

 

  • 「やまとうた」の中でもいろんなタイプの曲があります。自然を歌ったもの、天皇を讃える歌、夫婦愛、熱烈な恋の歌など・・。恋の歌が苦手な方もいらっしゃいます。Iさんは、歌枕主宰から「恋の歌を歌って欲しい」と言われ「恋の経験はないので・・・ 」と言われながらも歌われています。曲の背景や歴史を調べられ、万葉の時代の人々の気持ちになり歌われています。「大和三山」は、香具山、畝傍山、耳梨山の三角関係の歌です。神代の時代からこのようなことはあった、と歌っています。恋愛の歌は苦手と言われるIさん、数年前にこの曲を歌われましたが、とても印象的で、今も心に残っています。日々、成長を続けられているIさん、今歌うとより深い表現で歌われるのではないかと思います。

 
━━━「グループレッスンでのやまとうた」

  • 「やまとうた」は個人レッスンだけではなく、小阪カルチャー「心の歌」のグループレッスンでも歌っています。
  • 歌い始めたころは、万葉集は難しいので歌えるのか不安と言われていました。でもメロディーがきれいなので、やまとうたを歌うことに抵抗はなかったようです。レッスンでは、和歌を朗読することから始めます。生徒さんは、皆さん70代。最初は止まりながら「ルビが小さくて見えない」と大騒ぎしながら読まれていましたが、繰り返し読んでいるうちに流れよく読めるようになりました。

 

  • 日本の抒情歌や唱歌を歌っていますが「やまとうた」は必ず歌うようにしています。今は「月の舟」の中から「天の海に」「子をおもう歌」を練習しています。「万葉集や古事記など学生の時には、あまり勉強しなかったけれど、美しいメロディーに乗せて歌うと身近に感じられ、和歌を読み、和歌の意味や歴史的なことを聞くと、賢くなったような気がする」と言われています。

 

  • また、グループレッスンの方々は歌枕主宰のコンサートにも揃って来てくださいます。CD販売の時も「歌枕先生にサインしてもらおう」と一列に並び、とても賑やか、その場を盛り上げてくださいます。そして、ほとんどのCDをご購入いただきました。難しいと言われながらもすっかり「やまとうた」を歌うことが定着し、発表会でも必ず歌ってくださっています。いつまでも歌い続けていただきたいと思います。

 
━━━「子供が歌うやまとうた」

  • 「やまとうた」は吹田教室、ピアノ工房教室、宮野教室、カルチャー鳳の子供たちも歌っています。「萌え出づる春」「国見の歌」など「みやびうた」から始めることが多く、1月の発表会では、最後にみんなで「萌え出づる春」を合唱したこともあります。
  • 小学4年生になると教科書に志貴皇子の「石走る垂水の上の~」の和歌が載っているようで、それを見た子供は嬉しくてたまらないようです。「みんな知らないけど私だけ知っている」と思うようです。

 

  • 子供さんには、「巨勢野の春」「カラノの舟」など子供さんに合う曲を歌ってもらっています。先日「春の七草は全部言える」と言った子供さんに「秋の七草が言えるようにしようか」と言うと「歌う!」と言うので「秋の七草」を歌うことにしました。花の名前を覚えるのが面白いようです。レッスンが終わりレッスン室から出ても「秋の七草」を口ずさんでいます。歌いながら帰って行きました。

 

  • 「やまとうた」は子供さんの心にも自然に溶け込んでいます。中学生になると恋の歌も歌えるようになります。成長に合わせてその年齢に合った「やまとうた」を歌えるのも魅力だと思います。子供から大人まで、誰もが歌える「やまとうた」を教室でも広めていきたいと思います。

 
━━━「やまとうたセミナーvol.1」

  • Rさんは、鼻に息が通らずこもった声を気にされていました。歌枕主宰は、Rさんは、お仕事柄いつもマスクをされているので、マスクで隠れている部分に表情がなく、止まっているということを見つけられました。歌枕主宰の「顔を開いて、鼻から息をぬいて・・」と、いつもの魔法の力によって、息が通り元々お持ちの素晴らしい声が更に素晴らしい声になりました。ただ、Rさんは「声が出るということはわかりましたが、どうやって出したのかわからない」と言われていました。「これもすぐにわかることではないのですが、続けているとわかるようになりますよ」と返答されていました。

 

  • また、Hさんは今までは自然や風景の描写を詠んだ歌ばかり歌われていましたが、今回は禁断の恋愛の末、心中するという曲です。歌枕主宰から「心中物はどうですか?」と尋ねられると「いいですね」と答えられていました。和歌によって表現するものが違うので、それぞれの曲の背景を理解し歌わなくてはなりません。

 

  • 1ヶ月ぶりに聴かせていただき、お一人ずつの声がよく出るようになられたなぁ、と感じました。その上、セミナーによって、皆さん爆発的に声がでるようになられ、とても爽快なセミナーでした。

 
━━━「やまとうたセミナーvol.2」

  • 昨日に続き、初めての受講の方がいらっしゃいました。以前、聴講に来られ、受講されている方々の歌う姿勢に感動され、今回は受講してくださったKさん。Kさんは鼻炎があり、響きが鼻で止まってしまうというのが悩みでした。歌枕主宰から「牛や馬になったつもりで鼻からフーンと息を出してください」と言われて、初めは躊躇されていましたが、思い切って鼻から息をだし、勢いよく声をだすと、スッキリ抜けて声が通りました。その前で同じようにフーンと牛のように息を出されているAさん。一年前、初めてセミナーに参加された時は、固まっておられましたが、今では主のようにリラックスし伸びやかに受講されている姿が印象的でした。

 

  • そして、今回は皆さん新曲で楽譜を追っているということもあり、姿勢が前に傾いていました。そこで、いつもの背中を壁につけ、歌枕主宰から肩を後ろに、肩甲骨のあたりをグッと引っ張られ姿勢を矯正していただきました。「こんなに後ろなんですね」「姿勢を直してくれる所はここしかないですよ」と、口々に言われていましたが美しい姿勢になり、声も通りました。まるでマジックショーのように、見る見ると声が変わっていきました。初めて受講されたKさんは、セミナー後のお茶の時間もみなさんと打ち解け、やまとうたセミナーチームの一員になった、という感じでした。「勉強になりました。とても楽しかったです」と笑顔で帰って行かれました。

 
━━━「やまとうたセミナーvol.3」

  • やまとうたセミナーを初めて受講されたKさん。セミナーでご指導いただいた「鼻に息を通す」ということに気をつけて歌われています。少し鼻炎があるので、鼻に息を通すのは難しいのですが、意識して歌っていると変わってきました。特に「ナ行」の言葉が鼻で止まり息が抜けません。「山田の澤に」「鶴鳴き渡る」などゆったりとした曲で高音を響かせる練習をしました。頬骨の所を指で持ち上げたり、下を向き脱力した状態で歌ったりと色々な体勢で声を出していると、すーっと抜けることがありました。「今の声、良かったですよ」と言っても「どうやって出したのかわかりません」と首をかしげられます。でも、少しずつ抜ける確率が上がってきています。

 

  • そしてKさんは、「セミナーは、皆さんの前でご指導いただくことにより、自分の欠点がわかりました。また、他の方が指導を受けられているのを見聞きすることで、よりよくわかりました。セミナーを受講して良かったです。」と言われていました。

 

  • そして、やまとうたの世界を気に入っていただいたようで、歌枕直美友の会にもご入会くださいました。「やまとうたコンサートに是非、参加したいです」と言ってくださいました。以前は、違うジャンルの曲を歌われていましたが、やまとうたを歌うようになり、発声も良くなり意識もどんどん変わってこられました。「鼻がスッキリ通るようになるのでしょうか」と少し不安に思われているところもありますが、間違いなく通ると思います。セミナー効果もあり、どんどん良くなられているのですから。

 
━━━「やまとうたセミナーvol.4」

  • やまとうたセミナーを毎回、受講されている濃いメンバーで行われました。歌枕主宰から「今回で44回目です」と言われ、そんなに回数を重ねてきたのか、と改めて重ねてきた回数に驚きました。

 

  • 初期の頃は、声を出すことだけで精一杯。発声、姿勢、それだけでした。私も楽譜通りに伴奏を弾く、ということだけでした。皆さん、声が出るようになり、それだけでも凄いことですが、今回は曲の背景、和歌を詠んだ人の気持ちを感じ取り、表現するという、形には見えない、とても難しい課題が与えられました。伴奏も「場面が変わるからもっと間を取って、音色を変えて・・」など高度な内容で、神経を集中させなくては表現できない、とても深い内容でした。

 

  • 「軽皇子と軽郎女」の歌では、軽皇子役のHさんが後ろに立ち、軽郎女が軽皇子を見つめる、という設定で歌いました。その人物になりきって歌う、というというのはなかなかできないことですが気持ちが入り、より深い表現ができるようになりました。
  • 和歌を詠んだ心情を思いなが歌う・・やっと歌枕主宰にご指導いただける内容のセミナーになったように思います。これから本当の「やまとうたセミナー」として歩んで行く時が来た、としみじみ感じると共に、希望の持てるセミナーとなりました。

 
━━━「発表会前のやまとうたセミナー

  • 発表会前ということで本番をイメージしてのセミナーでした。
  • 発表会と同じようにメッセージを述べてから歌う練習をしました。メッセージはそれぞれに素晴らしく、心に響く内容でした。前奏からその世界観を創り、曲にはいらなければ考えているうちに曲が終わってしまいます。まずは伴奏がリードして歌いやすいように音楽を作るということが大切だということをご指導いただきました。初めに間違えたり、転けてしまうと最後までうまくいかなかったり、連鎖し、次の方まで影響してしまう、という恐ろしいことになる、ということを体感しました。

 

  • 歌枕主宰が伴奏を弾かれると、世界観が変わり、歌われる方は、自然と音楽に入り、音楽に包み込まれ、その世界観を表現されていました。目に見えない「気」の送り方で音楽が変わります。また、智穂先生が山部赤人になり、前奏、間奏で語りを入れてくださり、より曲の心情に入り込み歌うことができました。

 

  • 歌枕主宰から「練習している時にできている、と思っても舞台に立つと真っ白になったりします。本番
  • のように集中して、何度も練習をしなければ歌えません」と言われました。また、発表会に出演される方は、日々その努力をされているので、それを継続するだけでも凄いことです。その積み重ねによって力がついている、と励ましていただきました。
  • 発表会に向け、集中度が増し、1月は最高の状態でのセミナーになると思います。

 
━━━「やまとうたを歌って」

  • 小阪カルチャー心の歌では、1月の発表会に向けて「花の街」「天の海に」「子をおもう歌」を練習しています。
  • 先日、思いがけず、生徒のSさんからfacebookにメッセージをいただきました。とても素晴らしい感性で、このメッセージに感動しました。そのメッセージをご紹介します。

 

  • 先日、小さな銭湯で歌っていたら 番頭さんが「花の街」を歌っていたね と言われ、昔 コーラスやっていたと言っておりました。先生に教えていただいた中で「わたしと小鳥とすずと」が記憶に残ります。 現在の世の中でも、みんなと違っていることで いじめ、争い、仲間はずれなどが 生じていますがみすゞさんの封建的時代で違っていいと言うことは大変だったと思います。戦争も考え方、歴史の認識の違い欲望等によりが起こってきたので

 

  • のではと思います。 この世の中、違っている人の悪口を言ったりして、自分が正しいとしがちです。 違っている人も 光輝く素晴らしい人であると理解を示し、違っているからこそ 学ぶ点が多いと思います。みすゞさんも 自由がきかず、私も空を飛べたらな、 私の詩をたくさんの人に聞いてもらえたらな、と思ったに違いない。そして、26歳の若さで、みんな違っていい、みんな違っていいと叫びながら 自らこの世を去っていってしまった。 大変世の中の損失だと思います・・。

 

  • いつも、歌詞の朗読をしてから歌っていますが、こんなに深く感じてくださっていたことに、感動し、本当に嬉しく思います。これからも、より深く感じ、表現できるようなレッスンを心がけたいと思います。