教室の風景

毎週金曜日に更新している「歌枕直美音楽教室ブログ」よりレッスン風景を抜粋し、ご紹介します。
 

子供レッスン

ライヤーを使ってのレッスン

 

幼児期は体を動かすこと、意志の成長が課題となり、7歳頃からは感情の成長が課題となる、というシュタイナー教育を取り入れ、カリキュラムは歌枕主宰と共に作り上げたうたまくらオリジナルです。
 
ライヤーは、カリキュラムの中でも重要な楽器です。何かを教えるというのではなく、子供たちが自ら感じ、習得していきます。ライヤーはどこにでもある楽器ではないので、初めてライヤーを見た子供は興味津々。弦を弾いてみて「ワーッ。弦の上と下では音が違う。どの場所で弾くと良い音かな」と遊び感覚で試しています。腕の力の入れ具合で響きも変わります。グリッサンドで行ったり来たり、と楽しんでいる子供さんもいます。レッスンは教えて理解することばかりではありません。レッスン時間が終わってもライヤーを抱き抱えている子供もいます。予想しないことが起こります。次回のレッスンはどんなことが起こるのでしょうか。とても楽しみです。
 

グロッケンを使ってのレッスン

グロッケン(鉄琴)はSONORというドイツ製の楽器をつかっています。オクターブ半ですが黒鍵の音もあります。5歳の女の子。バチを持って叩いていますが、力が入り音が響きません。バチをしっかり握りすぎています。「もっとふわっと持って膝も力を抜いて」と言うとポーンと良い音がでました。
きらきら星をピアノで弾き、「お星さまのイメージで叩いてごらん」というと曲に合わせるのではなく、自由に叩き、グリッサンドでシュルシュル。「お星さまが光ってる」と言います。何人かの子供に同じことを試してみました。それぞれ表現の仕方は違いますが、楽しそうです。形にはめないというのは大切なことだと思いました。
 

歌と鈴

ピアノレッスンといっても、幼児期は30分ピアノを弾き続けるというのは無理があります。
シュタイナー教育でも、幼児期は体を動かすこと、意志の成長が課題となっています。
その中で「歌」は一番身近な表現方法です。歌にプラスして鈴を使うことで一層曲のイメージ広がり、リズムを感じ体全体で表現できます。
 

 

 

グロッケンとライヤー

 
子供のレッスンでは、グロッケンやライヤーを取り入れてのレッスンが進んでいます。
子供さんの中では、グロッケン派とやライヤー派に分かれます。
ライヤーの好きな子供さんは、ピアノのレッスンですが、ライヤーに直行、抱き抱えてひたすら弾いています。あまりにも強く引っ張り過ぎて弦が切れるというハプニングがありました。弾く加減も考えなければならないということを学習したようです。
弦を弾いたり、グリッサンドをしたり感覚で響きを楽しんでいる子供さんもいれば、メロディーを弾く子供さんもいます。メロディーを弾く子供さんは「メリーさんの羊」や「きら星」など教材にある曲を弾きます。でも、弦の数が少なくペンタトニックという音律なのでドレミ~の音階ではないので無理があります。
先日「勇気100%弾く」と言いながら弾いていた子供さん、音は多いしリズムは複雑、曲は長いし、弾けるのかな?と思いながら見守っていました。初めは、歌いなが集中していたのですが、思う音はないし、シャープの音もないし、鳴っているつもりで弾いていました。とにかく、自由に思う通りさせてみよう、と思ったのですが、途中で訳がわからなくなってしまいました。何でも挑戦することは、大切です。やってみて無理だったら、また違うことを考えればいいのです。講師も子供さんも試行錯誤の連続です。大変なようですが、とにかく楽しくレッスンしています。
 
 
 

グロッケンを使ってのレッスン1

 
子供のレッスンでのグロッケンを使っての様子です。教室で使っているグロッケンは、ドイツ製SONORの子供用の小さな鉄琴です。1オクターブ半ぐらいでの音域で半音もあります。小さな楽器ですがとてもきれいな響きです。
グロッケンは撥で叩けば音が鳴るのですが、力が入っていると音は響きません。膝を屈伸させ、腕の力を抜く、きれいな音が鳴っている響きを聴く、など様々なことを子供たちは考えて叩いています。メロディーを音階通りに鳴らす、というより自由に感性に任せて鳴らしています。
 
最初は「きらきら星」で、お星さまの音をイメージして叩くことが多いです。ポンポン1音ずつ鳴らしていますが、盛り上がってくるとヒュルヒュルとグリッサンドをします。行ったり来たり、楽しそうにいつまでも鳴らしています。毎週、回数を重ねるうちにどんどん響きがよくなってきます。
 
 
 

グロッケンを使ってのレッスン2

 
先日、男の子がグロッケンの鍵盤(鉄板)をはずしてしまいました。鍵盤にはCDE・・と音階がわかるようになっています。それを順番にはめていました。鍵盤(鉄板)が長い方が音が低く、短いと高くなります。順番を間違えると音階になりません。使い方は違いますが、音階の勉強になっているのかなぁ・・とも思いました。
日々、想像もつかないことが起きています。どんなことにも対応できるよう柔軟な心で、気を長くし、見守っています。
 
 
 

小物楽器を使って

 
子供さんのレッスンでは、ライヤー、グロッケンと鈴も使います。この鈴もグロッケンと同じ、ドイツSONORのスレイベルです。革の上に鈴が何個もついています。ハンドタイプで手で握って振るだけで音が鳴ります。
 
最初は「おもちゃのチャチャチャ」を歌いながら「チャチャチャ」で振るというのが分かり易く、楽しく振っています。でも歌に合わせるのもタイミングを逃すと曲が盛り上がりません。
ある子供さんがどのようにして鳴らすのが良いのか、と聞くので色々とやってみました。鈴を握って手首をゲンコツで叩く、鈴を直接叩くなど色々とやってみましたが、やはり普通に振るのが一番やり易いようです。どんな曲でも歌いながら、踊りながら鳴らしています。
楽しいのはわかるのですが、最初から最後まで同じ調子で鳴らし続けるのは、センスがなさ過ぎます。曲のどの部分で鳴らし、どんなリズムにするか、など考えることはいっぱいあります。そうやって、自然体でありながら、リズムや感覚を身に付けていきます。小物楽器を取り入れてのレッスンは、形にとらわれず伸びやかに子供たちの発想を広げています。
 
子供さんのレッスンでは、ピアノを弾くに至らない子供さんがいます。レッスンの時間には必ず来るので、レッスンが嫌な訳ではないようです。ピアノの椅子に座るまでが大変です。叱るだけでは、レッスンになりません。そこで小物楽器が大活躍。
ライヤーを爪弾き、グロッケンでポンポン、ヒュルヒュル、歌いながら鈴を振り、納得したところでようやくピアノの椅子に座ります。
 
 
 

数字奏法譜について


 
数字奏法譜って何?と言われる方がいらっしゃると思いますのでご説明します。
トツカ・ピアノ・メソッドという戸塚亮一氏が考発案された、頭の中にある音楽を鍵盤に移し替え弾くための教材です。戸塚氏は20数年のドイツでの生活の中で楽譜が読めなくてもピアノが弾ける人々に会われ、この数字奏法譜を思いつかれました。その後、歌枕主宰との出会いがありました。歌枕主宰はピアノのレッスンを続けていく上でこのメソッドが必要と感じられ、うたまくら社に持ち帰られ実用的な数字奏法譜を開発し、教材としてでき上がりました。
 
では、使い方をご説明します。数字奏法譜を鍵盤の上に直接立てます。鍵盤の幅に合わせたドレミ・・と1オクターブほどの紙面に123・・と番号が書かれています。その数字を追って鍵盤を押さえるとメロディーになる、というものです。
子供のレッスンではこの数字奏法譜で「ちょうちょう」「ぞうさん」などの曲を弾きます。123・・と追って弾くだけでメロディーになりすぐに弾けるので、練習する、というより遊び感覚で弾けます。
 
リズムは書いていないので知っている曲を弾くというのが前提です。頭の中にあるメロディーを鍵盤の上に移し変えるだけなので、それぞれの個性が自由な発想で表現できます。同じ曲でもテンポや弾き方によってイメージが変わります。みんな同じ「ちょうちょう」にならないのが特徴です。
 
 
 

数字奏法譜の色ぬり

 
数字奏法譜は左手の音をコードの色で弾きます。Cは赤、Dはオレンジ、Eは黄色、Fは緑、Gは青、Bはピンクとレインボーカラーです。Cはドミソの根音のドというようにコードの根音を弾きます。メロディーの数字123・・の横にコードが書かれています。コードを見ながら色鉛筆で色を塗ります。赤と青だけの曲もあれば、いろんな色がいっぱいという曲もあります。楽譜を自分で作り上げるという達成感もあります。
 
また、数字奏法譜に書かれている絵を色鉛筆で塗ります。例えば、「ぞうさん」も女の子のぞうさんはピンク、男の子は青、といったように曲のイメージを膨らませながら塗るので個性が出ます。オレンジや紫のぞうさんもいます。何色でなければいけない、ということはありません。講師と生徒が一緒に作り上げます。その生徒さんだけのオリジナル数字奏法譜ができ上がる、という訳です。
 

 
 
 

数字奏法譜の移調

 
五線譜で移調というとシャープがいくつでどの音から始まるのか・・と頭が混乱します。
ところが数字奏法譜では横にずらすだけで移調ができます。ハ長調の曲のドの位置をソのところにずらすとト長調で弾けます。子供たちは何調ということはわかっていないのですが、始まりの音が違っても同じメロディーになる、という認識です。「黒い鍵盤で弾きたい」という子供さんもいます。
 
以前にメリーさんの羊を全調で弾いた子供さんがいました。お母さんの話では、ずっとメリーさんの羊を弾いているそうです。夕食を食べた後、お風呂に入った後、と暇があれば弾いているというのです。それも自分の思うまま、次から次へと調整が変わっていくようです。自分の中で「メリーさんの羊」がブームだったのでしょうか。しばらくするとピタッと弾かなくなったようです。数字奏法譜で弾けば移調は難しいことではないのです。
 
 
 

教材・子供の世界のレッスン

 
そして、子供の教材「子供の世界」の「天使のベル」を弾きます。ウエストミンスター寺院の鐘の音、キーンコーンカーンコーン~と1本指で弾きます。黒鍵から、白鍵からといろんな調で弾きます。移調をして弾いているのですが、子供たちはそんな理屈は関係ないのです。「ラ」から「ミ」から、どこからでも弾けます。「何だか違う音になるから横の黒鍵を弾いてみよう」と、こんな感じです。どこから弾いてもウエストミンスター寺院の鐘の音になります。
 
次は、「公園にて」の「すべり台」。鍵盤の階段を1本指でトントンと上り、グリッサンドで滑って下りる。ここまでで30分が経ち、レッスン終了。ご機嫌で帰って行きます。
このようなレッスンを繰り返し、初めからピアノの椅子に座るレッスンが成立します。何とも気の遠くなるようなレッスンですが、時期が来れば伸びます。伸びる時期は様々。クラシックだけではなく、ポピュラーが好きな子供さんもいます。方向性も様々。その子供さんの個性を引き出せるように心がけています。
 
 
 

子供のレッスン


 
子供のレッスンでは、うたまくらオリジナル教材を使用しています。「子供の世界」「子供入門編vol.1」から始めます。「子供の世界」で必ず弾くのが「かえるの歌」です。誰でも知っている曲で、ドレミファミレド~と音階の順番になっているので弾き易いということもあります。
まず右手だけ、1本指だけで弾き、弾けるようになったら5本の指を使って弾きます。次は左手で同じように弾きます。そして、両手でメロディーを弾き、これからが本番。
 
一人でおいかけっこ、カノンにします。右手が2小節弾いたところで左手が入ります。初めは左右違うことをするので訳がわからなくなります。数回で出来る子供さん、何ヶ月もかかる子供さん、個人差はありますが、一人でのカノンができるようになります。子供たちは、遊び感覚で弾いていますが、この奏法はバッハにも通じます。子供さんが右手で弾き1匹目のかえる、左手が入り2匹目のかえる、講師の右手が入り3匹目、左手が入り4匹目になり、4手でのカノンです。子供たちは、みんな「4匹のかえる、やりたい」と言います。「かえるの歌」だけで盛り上がります。
 
「子供の世界」は絵本のようなピアノの教材です。見ただけでは、どのように使うのかわからないと思います。歌枕主宰の元、セミナーを受け、常に勉強し続けている講師が指導させていただいています。この教材でレッスンを始めると、伸びやかに、豊な感性が育ちます。歌枕直美音楽教室の子供さんは、形にとらわれない、発想力のある子供さんばかりです。
 
 
 

子供の歌 (小学生)

 
子供のレッスンでは、ピアノと共に歌を導入しています。
最初はポケット歌集で知っている曲、好きな曲を歌います。「アイアイ」「森のくまさん」などを歌っています。歌は全身を使って表現できるので、心も体も開放されます。うたまくらには、「子供の歌」という教材もあります。歌枕主宰が選ばれた子供たちにふさわしい名曲、その時期に歌うからこそ良い歌を選んでいます。伴奏付きの楽譜で前奏、間奏を入れることでより世界観が広がります。
 
ピアノが少し苦手でも歌を歌うことで時期が来ればピアノも上達するということもあります。そして、子供の歌だけに留まらず「やまとうた」を歌っている子供もいます。ピアノだけではなく歌うことで相乗効果があり、子供のたちの可能性はどんどん広がっています。
 
 
 

教材 ハノン・テクニック

 
レッスンに来る時は、楽譜を持ってくるのは当然のことです。でも、時々忘れて来る子供さんがいます。「レッスンに来る前に練習をしていて、慌てて出てきたのでピアノに置いたまま来てしまった」というのは、駄目だけど仕方ないか、と思えるのですが、そうではない子供さんがいます。特によくあるのが「ハノン」「テクニック」を忘れてくることです。練習をしていない、好きな曲だけ弾きたい、などの理由で持ってこないのです。でも、指の練習は大切なので楽譜が無くても弾くようにしています。
 
先日、テクニックを忘れたH君。私の記憶では、同じ音形を移調していく練習だと思ったので、最初の所を弾いてみました。そうすると「そうそうそれ、先生よく覚えてたなぁ」と言うのです。何度もやり直しで合格していないので思い出せたのです。
また、女の子でも忘れることがあります。「たぶん7番だったと思う」と言うので7番を練習し、次の時、楽譜を見たら7番は合格していて8番が宿題だった、ということもありました。
 
子供さんの中には、「ハノン」「テクニック」が好きな子供さんもいます。「きっちりと、同じことを繰り返し弾くのが好き」というのです。あまり好きではなくても、毎週繰り返し弾いているうちに、確実に力はついていきます。全調で弾くのも最初は大変ですが、「レ」から始める時は、ニ長調の調号どおり、「ファ」と「ド」にシャープをつけて弾きます。手がその調整に合うように鍵盤に収まります。「ハノン」「テクニック」は、生徒さんにとっては日々の努力、講師はとにかく根気よく、です。
 
 
 

ピアノが好き!

 
私も良かった、と思いました。ただ、真面目な生徒か、というとそうではなく、ハノンを持ってこなかったり、弾きたくない曲は練習しなかったり少々困った生徒です。ただ、感性が素晴らしく、聴いたメロディーをすぐに弾き、音楽があふれています。
中学1年生のK君のレッスンでの様子です。K君は幼稚園年中からレッスンに来ています。中学生になる時、塾に通うことになり野球のチームにも入っているのでピアノを続けるのは難しい、とお母さんからご連絡をいただきました。そして、最後のレッスンの日にお母さんが挨拶に来られました。お母さんから「教室の階段を上がる前に二人で相談した結果、続けることにしました」と、その時K君は「やったー!」と喜びの声。両親から辞めるように言われ、承諾したものの続けたい気持ちがあったのだと思います。
 
そんなK君は、学校内での合唱コンクールの伴奏をすることになったのでレッスンして欲しい、と2曲の楽譜を持ってきました。レッスンではこの2曲のみ、教材を何も持ってこなくなりました。3ヶ月この伴奏のみのレッスンです。いつ弾くのか聞いてみると、吹田市中校教育研究会の音楽会があり、学校で2クラスが選ばれメイシアター大ホールで弾くと言うのです。その後、気合が入り、よく練習してくるようになりました。
 
レッスン室のグロトリアンの響きを感じ、思う存分弾いた後に「メイシアターのピアノ、荒木さんに調律して欲しい。こんな良い音のピアノ他にない」と言うのです。うたまくらの環境の中ですくすくと育ったK君。大ホールで演奏できることはとても良い経験になると思います。